このページでは、被災時対策としての保管について、防災ボランティア歴10年以上の防災士が現場で感じた事をもとに書いています。
何もしていないと被災後かなり大変な事になる人もいるので、要注意。
被災は必要なものを根こそぎ持って行ったりしますので、リスクヘッジがとても大事です。
被災と物品の保管について考えてみたい人の参考になれば幸いです。
意外と考えていない被災対策としての保管の話
被災を考える時、耐震補強、家具の固定、当面の食事、排せつ等々の想定をする事はとても大事な事です。
では、その次に大事なものは何でしょう。
たとえば通帳の番号…普段連絡を取っていない身内が急に亡くなった経験などがあると分かるのですが、果たしてどこの生命保険に加入していたのか分からない等々の問題に直面します。
同じ事が自分の身に起こるかもしれません。
この問題は、万一の際に備えておくだけでかなり軽減することが可能です。
手帳などに自分が分かるように暗号化したデータを挟んで持ち歩くのも良いでしょう。
万一紛失した際、落書きにしか見えないような紙一枚にするなどの工夫も役に立つかも。
大切なものをすべて失ってしまう被災
被災は大切なものをすべて失ってしまう危険をはらんでいます。
たとえばアルバムやデジカメのデータ。
これらのものをすべて失ってしまうと結構辛いです。
思い出を失う辛さはかなり深刻。
データだけならクラウドに上げておくのも一定程度のリスクヘッジになります。
被災時は命が助かる事、そしてその後生き延びる事を考え、その後の生活への対応については後回しになる事が多いですが、それだけでは実際に生活していくうえでとても不便、かつ寂しい事になります。
分散保管を考える
大事なものは極力分散保管を考えましょう。
たとえば持病の薬を非常用持ち出し袋に入れる。
ここまではやっている人もチラホラ見かけますが、余裕があるなら自宅の1階と2階に分けて薬をしまう・数日分をポーチに入れて持ち歩くなどの工夫があると、万一の際即薬が切れてしまう危険性が減ります。
温度管理がされている事が前提ですが、会社の私物を置く部分に数日分置いておくなどしても良いでしょう。
おくすり手帳の管理
持病がある人はお薬手帳を持ち歩いていると思いますが、3.11の際、お薬手帳を持たずに避難所に避難してきた人たちが、自分が服用していた薬の説明が出来ずに現場が混乱しました。
そんな状況をなんとかしたいと開発されたのが「eおくすり手帳」です。
まだ全ての薬局で使える訳ではないのですが、ご参考までに。
持病がある人は普段から使っておくと良いと思います。
意識を失った場合、他人はおくすり手帳が入っているいことを知りません。
紙のおくすり手帳は別途持ち歩くようにしましょう。
余計なものを捨てる・しまう
被災時、モノが散乱している状況を見た人は沢山いると思いますが、棚からモノが落ちてきて床に散乱すると、足を切ったりする事がありますし、家具を固定していても間に合わず、家具が体を直撃する事も。
そして、なにより片付けは体力と精神力を消耗されます。
そういう意味では家具は減らした方が良いですし、万一の際の散乱を少しでも減らすために余計なものは置かない方が望ましいです。
寝室や居間など、いつも人がいる場所や子供が遊ぶ場所などは特に注意が必要です。
収納しきれないものはどうする
家の中にあって、収納しきれないものって意外と多い人が沢山います。
でも、これらのものが被災時は凶器になり得ます。
被災地で実際にあった話
被災地でボランティア活動をしていた際、地元の方が「うちの息子、家具が倒れてきて下敷きになったところに津波が…」家具の固定はやっておかないと、とんでもない事になるのは最近では理解している方も多いと思いますが、実際問題全ての家具を固定している人は少ないですし、そもそも家具を固定しても倒れる時はあります。
家の中をサッパリと整頓する事は、地味ではありますが、災害対策の第一歩と言えるでしょう。
収納サービスを利用する
皆さんそれぞれ普段使わないものを色々収納していると思いますが、これらのものを収納サービスを使う事で被災時、すべてを失う事を避けることが可能です。
たとえば、デジタルデータをクラウドに上げる以外にコピーして収納サービスに保存する、普段使わないアルバムを収納サービスを使って保管する。
その他諸々使い道はあります。
要は、普段使わないけれど捨てられず、場所を取るものを収納サービスに預ける事で、快適な生活が出来ますし、被災時に備えることが出来ます。
衣替えなどの際にも利用すると、家の中がスッキリして良いですね。
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